取扱業務

刑事事件・少年事件について

刑事事件について

刑事事件とは、暴行や傷害、殺人、窃盗、強盗、放火、痴漢行為(迷惑防止条例違反)、交通事故で人を死傷させた場合など、様々な犯罪の嫌疑がある場合に対応するものです。
弁護士は、犯罪の疑いを掛けられている人(被疑者・被告人)の弁護人となって、被疑者・被告人の権利・利益を守るために活動します。
家族や会社の従業員が逮捕されたり、刑事事件の被疑者・被告人となった場合に、当事務所所属の弁護士に弁護を依頼・ご紹介いただくことができます。


(1)在宅事件(逮捕・勾留によって身体の拘束を受けていない事件)

被疑者が逮捕されていない場合又は逮捕後に釈放された場合であっても、犯罪の嫌疑を晴らすため、あるいは嫌疑を認めている場合でも被害者との示談交渉等によって依頼者にとって有利な刑事処分を得られるように、弁護士を依頼することが出来ます。
本人又は家族の依頼に基づき、事務所での面談後に依頼を受けることが可能です。


(2)身柄事件(逮捕・勾留によって身柄拘束を受けている事件)

このような場合には、特に早期に弁護士を依頼することが大切です。
被疑者は、逮捕から検察官が起訴等の処分を決めるまで最大23日間、警察署などで身体の拘束を受け、外部との自由な交信は出来なくなります。
身体拘束の長期化により、仕事や家庭を失うおそれがあります。
弁護士は、依頼者ができる限り早期に身体拘束から解放されるための活動をします。
弁護士は、本人又は家族、雇用主等の依頼や紹介に基づいて、被疑者が身体拘束を受けている警察署などに行き、被疑者本人と面会して、ご本人の言い分や希望等を聴取します。
事件によっては、接見禁止により弁護人以外の者との面会が禁止されることがありますが、そのようなときにも弁護士であれば、本人と直接面会することが可能です。
起訴が避けられない場合でも、事前に起訴後の保釈手続の準備を進めるなどして、早期の身柄解放に向けて活動することができます。


上記(1)・(2)いずれの事件であっても、被疑者は、検察官から起訴(刑事裁判の提起)を受ける可能性があります。 早期に弁護人を依頼することによって、次のようなメリットがあります。

  1. ①起訴猶予等により不起訴処分となり、依頼者に前科がつかずに済んだ
  2. ②公判請求(正式裁判)を回避して、罰金刑で済んだ
  3. ③起訴された事件でも、執行猶予付き判決を得ることができた
  4. ④起訴後の保釈手続により、早期の身柄解放につながった

その他にも、弁護人を依頼することよって安心や納得など依頼者にとって大きなメリットをもたらすことができます。


(3)起訴後弁護事件

また、捜査が終了して、既に起訴されている事件についても、弁護を依頼することが可能です。
この場合にも、犯罪の嫌疑を晴らすためのアリバイ事実等の確認や捜査資料の確認及び検討、嫌疑を認めている場合も、被害者との示談交渉や再犯防止に向けた環境調整(親族や雇用主等の情状証人の確保)等の各種準備を行った上で公判期日に臨み、公判廷において、依頼者にとって有利な刑事処分になるように最大限の主張立証活動を行います。

少年事件について

(1)対象事件

少年事件とは、被疑者の年齢が満20歳未満である場合の刑事事件に相当する手続きです。
①14歳以上の罪を犯した少年(犯罪少年)、②14歳未満(13歳以下)の刑罰法令に触れる行為をした少年(触法少年)、③犯罪を犯す虞のある少年(ぐ犯少年)は、非行のある少年として家庭裁判所の審判に付されます。
少年事件における弁護人は、付添人と呼ばれています。
少年事件についても身柄拘束を受ける場合と受けない場合があります。


(2)被疑者段階での活動

少年事件の場合、捜査機関による捜査後、犯罪の嫌疑があると判断されたときは、全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
そのうえで、家庭裁判所は、審判を行うために必要があるときは観護措置決定を行います。少年鑑別所での観護措置という形で、少年に対する身体拘束が続く場合もありますが、身柄拘束が長期化すれば、学校の退学処分など少年にとって重大な不利益が発生するおそれがあります。
付添人は、少年の身柄拘束が続かないように、捜査段階で積極的に活動するとともに、家庭裁判所に対して観護措置決定を行わないよう働きかけることができます。


(3)身柄拘束を受けている少年の審判までの流れ

少年事件の場合、家庭裁判所は、非行事実(犯罪事実)の調査のほか、少年の家庭環境、友好関係、学習環境、就労環境など広く環境調査を行います。
付添人としては、これらの事実確認や環境調整を行うことが重要な活動となります。
また、少年事件の場合、家庭裁判所による少年鑑別所送致の観護措置決定がなされると、多くは4週間の身柄拘束が続きます。
その間、少年鑑別所で心理検査や知的能力のテストを受けたり、調査官から生活環境などに関する聴取を受けるなどして、調査を受けることになります。
多くは観護措置決定から4週間以内に、家庭裁判所で少年審判を受けます。
この観護措置期間中に、家庭環境や就労環境など少年の健全な育成のために必要な環境調整や、被害者への謝罪、示談等を行い、調査官と少年の処遇に関する協議を行うなどします。


(4)身体拘束を受けていない少年の審判までの流れ

少年及び家族は、調査官の呼び出しに応じて、調査官と家庭裁判所や自宅での面談を行い、調査に応じます。
また、付添人との間で、付添人の法律事務所で打合せを行うなどして少年審判に向けた準備を行います。


(5)少年審判当日

少年及び保護者は、家庭裁判所に出頭し、少年審判に出席します。
当日は、非行事実の有無について確認を行ったうえ、非行事実やそれに関連する裁判官・付添人弁護士の質問に応えます。
裁判官は、これまでの調査官の調査結果と当日の質問手続の結果を踏まえて、原則として審判当日に、非行事実に関する処分結果を言い渡します。
付添人弁護士は、少年審判を受けることとなった場合にも、処分意見として保護観察処分を求めるなど、少年ができる限り早期に社会復帰できるための活動をすることができます。